2012-03-13

本当にそれで解決するの?生活保護の医療費(一部)自己負担問題を考える

「評判の悪い生活保護については、何か手をつけないと消費税増税への国民の理解が得られない」という理由で、非常に強引に生活保護受給者の医療費一部自己負担導入が決められようとしています。しかし実は医療扶助費の6割近くの約8000億円が入院費であり、約25%の3000億円が精神医療入院費であることは、あまり知られていません。医療扶助費の効率化を考える際、自己負担導入で問題が解決するのか、実態に即して考える必要があります。鬱積するフラストレーションが「弱者たたき」に向かいやすい現在、冷静な議論を行いたいと思います。



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【日時】3月13日(火)18:30~20:00
【場所】航空会館7F701・702会議室(東京都港区新橋1-18-1)

【司会進行】
○大塚 敏夫(中央労福協事務局長)

【発言】
○門屋 充郎(日本相談支援専門員協会代表、NPO法人十勝障害者支援センター理事長)
日本の精神医療は、入院治療に偏りすぎていて、それが多くの弊害をもたらしています。障害者の地域生活移行は、以前から国の方針として掲げられながら、十分な成果を挙げていません。理由の一端は、地域生活の困難さにあると言われます。しかし、適切な相談支援体制があれば、それは十分に可能です。実践的裏づけのあるデータに基づいて、精神障害者の地域生活移行が可能であり、それによって医療費自己負担導入などしなくても、生活保護の医療扶助費を減らすことは可能であることを示します。

○湯浅 誠(反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局次長)
橋下大阪市長や一部の国会議員が強硬に主張している医療費自己負担導入は、そもそも実務的に可能なのでしょうか。むしろ実務的な検証なく、「何かしなければ」という焦りと勢いだけで突き進んでいるように見えます。その結果が現場の混乱で終わることは明らかです。ムードに流された弱者叩きほどおそろしいものはありません。国会議員やマスコミの方たちには、冷静で実のある政策論議を求めたいと思います。

○鈴木 隆一(当事者団体「オアシスの会」)
これまで、14、5回の入退院を繰り返しています。病院は医療を受けて蘇生するところ、地域が僕の住むところです。地域での暮らしは困難もありますが、でも自分でその都度悩み、考えながら生きているのはいいことです。その暮らしには生活保護は命綱のようなもの。その命綱が切れてしまったら、また病院に戻るしかなくなります。

【主催】生活底上げ会議 (人間らしい労働と生活を求める連絡会議)
連絡先:中央労福協・北村  TEL 03-3259-1287
〒101-0052 千代田区神田小川町3-8 中北ビル5階